仏教にあまり深い関心を寄せていない人であれば、死後につけてもらう名を「戒名」と思っていたり、単純に「戒名」を「改名」と書いてしまう方もいるかもしれませんね。
本来「戒名」とは生きているうちに仏さまの代理人である仏教僧からいただくものでした。
「戒名」の「戒」とは、「戒律」の戒を意味します。
「律」とは、教育する・取り除くという意味で、出家修行者が集団生活をするための生活規則
「戒」とは、出家・在家の別なく、仏道修行をする者が守らなくてはならない規則
つまり、仏教でいう戒名は、み仏の教えを良く守り、修行の進歩の跡が見られたとき、その証明として授かる宗教上の呼び名であります。ここまでよく修行した、というしるしです。
不殺生 (ふせっしょう) |
生き物の生命を奪う行為は、仏教の罪の中で最も重い。不殺生とは、ただ生命を奪わないだけではなく、積極的に、あらゆる生命をよりよく生かしつづける努力をすることである。 |
不偸盗 (ふちゅうとう) |
「偸」の字の右半分は「抜き取る」の意味。この左側に「にんべん」を加えて、偸むという字とする。盗みの対象となるのは、かたちのあるものだけではない。他人の知識・思想・研究・技能・権利なども加えるべきだろう。 |
不邪淫 (ふじゃいん) |
いわゆる不倫、そのほか周囲の善良な人々を傷つけ、悲しませ、後世にまで悪い影響が及ぶような性行為はすべきではない。 |
不妄語 (ふもうご) |
他人をだますだけではなく、事実に反することを言いふらし、他人に迷惑をかけてはならない。 |
不飲酒 (ふいんしゅ) |
酒に酔うことによって、あやまちや犯罪が生じる場合もある。一滴も飲むなではなく、酒癖の悪いことは慎むようにと戒めている。 |
院号 | 「院」とは垣や塀のある建物。それが仏教寺院になり、上皇・法皇の御所を表すようになった。院号は天皇の地位から退いた皇族や故人となった天皇の尊称として用いられた。 例)崇徳天皇→崇徳院 後鳥羽天皇→後鳥羽院 |
居士 | インドで「居士」は昔ヴァイシャと呼ばれていた商工業の資産家階級のこと。漢訳語で「居士」は、財宝を所有する人のこと。または、自宅にいて修行する人のこと。漢語では「きょし」と読むことがあり、徳を備え、学識もあるのに、それ相当の役職や地位につかない人を指す。 |
大姉 | 高徳の女性僧、つまり比丘尼であり、在家であっても社会的に地位の高い女性を指す。 |
信士・信女 | インドのサンスクリット語のウバソクの訳語が「信士」で、ウバイの訳語が「信女」で、ともに在家信者を指す。 |
浄土宗 | 〇〇院△△□□居士(または大姉) | 「誉」が特長。ほまれ、ほめたたえる、良い評判、名誉などを表現している。 |
時宗 | 〇〇院阿△△□□居士(男子) 〇〇院弌△△□□居士(女子) |
「阿号」と「弌号」が特長。阿は阿弥陀仏のしるし。弌は開創者の一遍の母が「東弌房(とういちぼう)」という名だから。 |
日蓮宗 | 〇〇院法△日□居士(男子) 〇〇院妙△日□居士(女子) |
「日」「妙」「法」が特長。日は日蓮から、妙や法は妙法蓮華経から。 |
浄土真宗 | 〇〇院釈□□(男子) 〇〇院釈尼□□(女子) |
「釈号」は仏弟子となった者は、釈迦の姓を名乗るべきという考えから。 |
出家者 | △△□□禅定門 △△□□禅定尼 |
現世にいるかいないかにかかわらず、髪をおろして僧尼になった男女に対して与えられる。 |