ジュズとネンジュ

@明治・大正期にわが国の実業界のリーダーといわれた
  渋沢栄一の戒名 
読み:たいとくいんでんじんちぎじょうせいえんだいこじ

解説:「青淵」とは渋沢の号で、「淵」の字にはもともと水の流れのよどむところという意味があり、いろいろなものごとが寄り集まるさまを、衆望を集めることにたとえたらしい。



A明治・大正期の実業家で、帝国劇場や帝国ホテルの生みの親として知られる
  大倉喜八郎の戒名 
読み:だいじょういんでんれいほんちょうまいかくおうだいこじ



B明治・大正の大物財界人で、藤山コンツェルンの基盤を築いた
  藤山雷田の戒名 
読み:こうがくいんでんとうよせつどううでんだいこじ

解説:統率する栄誉は、田に雨を降らせるかのように道を整える。「摂」の字には養う、整える、などの意味が含まれる。



C第二次世界大戦後の日本でワンマン宰相として有名な
  吉田茂の戒名 
読み:えいこういんでんてつよみょうとくそかいだいこじ

解説:「素匯」とは雅号で、白い布の意味を持つが、有名な白足袋を暗示しているかどうかはわからない。
「徹誉」は、誉れに徹するとでも解すべきだろうか。



Dもう1人、自民党の政治家で大蔵大臣在任中に急死した
  愛知揆一の戒名 
読み:ずいほういんでんせんぎょうきいちにっけいだいこじ

解説:この戒名には、故人の俗名がそのまま取り入れられているが「膽仰」という二字がかぶせられていることが注目すべき点で、「日敬」が示すように、日蓮宗の戒名である。「膽仰」は、法華経にある「常願常膽仰」という言葉がもとになり、仰ぎみること、常にみ仏の世界を仰ぎみることをねがうのが「常願常膽仰」である。



E海軍軍人であるが、総理経験者の
  鈴木貫太郎の戒名 
読み:だいゆういんでんじんちゅうこうとくにっかんだいこじ

解説:老齢の鈴木はいわゆる"終戦内閣≠フ首班として15年にわたる日本の戦争の終結に当たった。「日貫」の「貫」は俗名の一字であろう。



F朝日新聞社の創業者 村山龍平の片腕といわれた
  上野理一の戒名 
読み:じゅんせいいんでんけんよりかんとうちょうだいこじ

解説:真理を観る人は、長い年月にわたってリーダーの栄「誉」を担う



G文壇の重鎮であった
  佐藤春夫の戒名 
読み:りょうしょういんでんしよきせいしゅんにちだいこじ

解説:「春日」は「宵い」を「凌ぎ」、「詞(ことば)」に「精(くわ)」しい



H歌人
  斎藤茂吉の戒名 
読み:しゃっこういんじんよゆうあぎょうじゃくせいこじ


解説:「赤光(しゃっこう)」は、茂吉の第一歌集の表題である。「仁」の字は医師でもあった茂吉の人柄を表し、「暁寂」は、夜明けに亡くなったことを表している。



I剣豪作家として、いまも読者の多い
  柴田錬三郎の戒名 
読み:そうがくいんでんせんよえんげつれんてつだいこじ

解説:「雋」よいう字はすぐれているという意味である



J明治から昭和にかけ歌舞伎俳優として活躍した六代目
  尾上梅光の戒名 読み:ばいじゅいんちょうよけいあむせんこじ
  梅光夫人の戒名 読み:しょうじゅいんけんよじょうあむようじゅん
解説:「阿無」に「染(なじ)」み、「阿妙」に「順(したが)」う、などの阿号は、南無阿弥陀仏の「妙(たえ)」なる教えに導かれることを示す。



K筝曲、すなわち琴の演奏家で、山田流の創始者である
  斗養一の戒名 
読み:かくりょういんでんしきよきょうわとようこじ

解説:「響(ひび)」き「和」すとはいかにも音楽の天才にふさわしい。



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