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病院は業者に事実を告知する責任があるが、守秘義務を楯に行われないケースが多い。また、各種解剖の結果、初めて感染症の保有がわかるケースもあり、判明した頃には葬儀が済んでいたというのがほとんど。したがって業者は、遺体には危険な感染症があるものという前提で対処する。 |
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@肺炎、A梅毒、B破傷風、C菌血症、D敗血症、E狂犬病、FA型肝炎、Gワイル病、Hハンセン病(らい病)、I真菌感染症、J髄膜炎菌感染症、Kクラミジア感染症、L成人性T細胞白血病 |
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感染症 |
危険度 |
注意点 |
対処 |
クロイトフェルト・ヤコブ病 |
◎ |
・有効な治療薬もなく、発症すると |
・速やかに納棺。(衣服の着替え×) |
100%死亡。 |
・ゴム手袋着用で、着衣、ゴム手袋、 |
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タオルは塩素消毒後に焼却。 |
結核 |
◎ |
・死体内の結核菌は長時間生き続ける |
・結核菌は紫外線に弱い。 |
・死体の向きを変えた時、体内から |
・使用したものは、晴天時に |
放出。 |
30分以上太陽の光にあてる。 |
・寝具、着衣に多量の結核菌が付着。 |
・使用した車も風通しをよくする。 |
・高齢者に多い。 |
・使用した器具等は消毒剤 |
・胸部に変形があり、異常に痩せて |
(ヒビテン、エタノール)で消毒。 |
おり、リンパ節腫脹がある。 |
・マスクを着用し、終わった後に |
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うがいをする。 |
B型肝炎 |
○ |
・ウイルスは7日以上生存。 |
・ワクチン接種が望ましい。 |
・火葬までの間危険。 |
(3回接種で効果は3年〜5年) |
・死体から漏れ出た血液、体液は |
・空気感染は無し。 |
エタノールで拭き取るか、触れない |
・ゴム手袋着用で防ぐ事が可能。 |
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・流水で手を洗い、消毒剤で消毒。 |
C型肝炎 |
○ |
・血液、体液には触れない |
・血液、体液以外の通常接触であれば |
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感染は無し。 |
疥癬(角化型) |
○ |
・皮膚に灰色から黄白色の垢がつく。 |
・ゴム手袋着用で、着衣、ゴム手袋、 |
・短時間の肌の接触。 |
はポリ袋に入れ、捨てる。 |
・使用した衣類、寝具。 |
・流水で手を洗い、消毒剤で消毒。 |
・皮膚から落ちた角層に接触。 |
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疥癬(通常型) |
△ |
・皮膚に紅斑性小丘疹。 |
・短時間の肌の接触は問題無し。 |
(へそを中心に腹部、胸部、膝の下、 |
・流水で手を洗い、消毒剤で消毒。 |
太腿の内側、腕の内側、肘など) |
・寝具は日光消毒。 |
・長時間の肌の接触。 |
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・使用した寝具。 |
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リケッチア感染症 |
△ |
・病原微生物。(虱や蚤など) |
・虱や蚤は死体の体温低下で死体から |
・衣服の着脱。 |
離脱するので、死体からの感染は |
・寝具の移動。 |
無し。 |
MRSA |
△ |
・病院内の感染。 |
・健康であれば感染の危険無し。 |
・濃厚感染の場合に問題。 |
・二次感染の危険は無し。 |
・体力の弱った手術直後の患者。 |
・取り扱い後、消毒。 |
・老齢の長期入院患者。 |
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エイズ |
△ |
・血液、体液の濃厚接触。 |
・通常の接触ならば問題無し。 |
・死因欄や自殺死体にも記載されない |
・ゴム手袋着用で、終わったら捨てる |
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@使い捨てマスクと使い捨てゴム手袋を着用。 |
A手に傷のある場合、取り扱わないか、手袋を二重。 |
B取り扱い後、うがいをし、流水で手をよく洗い、消毒アルコールで消毒。 |
C遺体を移送する際、使い捨てシーツを使用し、胸を圧迫しないように。 |
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